地震大国である日本において、病院は災害時に傷病者を受け入れる「最後の砦」です。しかし過去の大地震では、建物の構造躯体そのものは無事であったにもかかわらず、重量のある天井材が崩落して医療機器が破壊され、病院機能が停止に追い込まれるケースが多発しました。
災害拠点としての事業継続計画(BCP)を確かなものにするうえで、いま病院における天井の耐震化は避けて通れない急務となっています。
「どれだけ対策をしても、想定外の揺れが来れば結局天井は落ちるのでは?」——こうした懸念を払拭する象徴的な事例があります。2016年に発生した熊本地震における、熊本大学医学部附属病院のケースです。
この地震では激しい揺れにより、周辺の多くの建物で非構造部材(天井や壁)の崩落被害が発生しました。ところが、同病院にあらかじめ施工されていた「告示対応耐震天井」(国が定めた新しい厳しい耐震基準をクリアした天井)は、直撃を受けたにもかかわらず一切損傷することなく、無傷のまま機能を維持しました。
この結果は、正しい設計と施工を行えば、甚大な自然災害下でも天井の崩落は防ぎ、医療空間を守り抜けることを強く示しています。
新築であれば最新の耐震天井を計画段階から組み込めますが、既存病院の改修では「病院特有の課題」が立ちはだかります。長期にわたる天井解体工事や、それに伴う騒音・粉塵が患者への大きな負担となり、日々の医療活動を妨げてしまうためです。
この難題をクリアしたのが、成田赤十字病院(研修棟講堂)の事例です。ここでは既存天井を壊して張り替えるのではなく、既存天井の直下にアルミ製の水平材を格子状に組む「落下防止措置(T-Ceiling Grid工法)」が採用されました。
この工法は、万が一の地震で既存天井材が剥がれても、直下に組んだグリッドがネットのように受け止め、室内への落下を防ぐ仕組みです。主なメリットは次のとおりです。
病院の天井耐震化は、単なる施設管理の枠を超え、「災害直後から医療活動を継続し、一つでも多くの命を救うため」の不可欠な備えです。
この2つの実例は、これから対策を検討する医療施設にとって大きな指針となります。新築・改修を問わず、現場の状況に寄り添った最適な対策を進めることが、これからの医療インフラに強く求められています。
500m2以上の工場向け

引用元:マクライフ公式HP(https://maklife.jp/works/)
こんな膜天井
集合住宅向け

引用元:リフォジュール公式HP
(https://www.refojoule.co.jp/makutenjo/index.php#jirei:~:text=L%3D2.7M-,%E6%96%BD%E5%B7%A5%E4%BA%8B%E4%BE%8B,-%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3)
こんな膜天井